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最初の一枚最初の一枚と最高の一枚。あるカメラ本でこんな言葉を目にしたことがある。以来、この言葉は脳裏から離れない。 最高の一枚は都度更新されるだろうし、更新できればいい。でも最初の一枚は先にも後にもそれしかない。 だから最初の一枚は思い出に残るものが撮れればいいなと思う。 リペアから戻って来たおやじの形見のカメラにフィルムをセットする。 ファインダーに目を着ける。シーリングファン、リビングのグリーン、ドアノブ、思い出の写真、この前買った靴。 一通り部屋中にピントを合わせてみる。いつもの自分のカメラで軽くシャッターを押す感覚、それを感じない。 ガラス戸を押し開けてバルコニーに被写体を求めてみる。アガパンサス、蘇鉄、ローズマリーそしてオリーブ、どれも今日はしっくりこない。 戻ってきたこのカメラの最初の一枚としてはインパクトに欠ける。 メーカも難色を示していたこのカメラがせっかくリペアできたんだから、そんな気持ちがぼくの中で空回りしているのか。 ふと足下を見ると自分の影の色が濃いことに気づく。日差しが強くなったんだ。 バルコニーに放置している木製のテーブルにカメラを置き、ぼくはイスに腰掛ける。 前方に見える森林公園の森の緑も濃くなってきている。 もう数週間もすればもくもくとした緑がここからでも見て取れるだろう。 夏はそこまで来ている。 もう一度カメラを手に取ってみる。 今度はファインダーを覗かず、ボディ全体に目をやる。 するとリペアに出す前まで気づかなかった細かいことに気がつく。 小さいけれど角の塗装ははがれている。 シリアルナンバーの刻印も渋い。 144023、数字だけで管理できていたんだ。最近の製品ははじめからアルファベットも使っていると言うのに。 不思議な感覚がぼくを包み込む。 このカメラをこう持って、こう覗いて。 ぼくを笑顔で撮っていたおやじのやり方、そうか、こう構えていたっけ。 最初の一枚、おやじはこのカメラで何を撮ったのだろう。物じゃなく人物、きっとおやじのことだ、お袋なんだろうな。 うん、ぼくもそうしよう。 今週末のぼくの誕生日まで待って、最初の一枚はきみの写真を撮ることにしよう。
by hello_ken1
| 2005-07-17 11:00
| EndlessGoodTime
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