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海の明かり #10
三杯目のグラスを飲み干した祐二は、彼女の肩をつかんだ。顔を彼女に近づけるとじっと見つめた。 「きみの瞳に海が見える。初めて会ったときからそんな気がしてた」 「何が恐いの?祐二」 彼女は祐二の瞳の奥にこそ寂しさがあると感じた。祐二は彼女のその一言に唇を噛んだ。 「潮の香りがきみの髪にあるんだ」 彼女は祐二を強く抱いた。きつくそして優しく温かく。祐二の震えを自分が吸い取れるように祈りながら、彼女は祐二の頬にキスをした。 「黒い海は、、、」 「だいじょうぶ。わたしはあなたのそばを離れたりはしないから」 祐二は彼女のキスに応えながら、壁に掛かっている絵をじっと見ていた。その絵はこれから明かりを灯す灯台の様子を、周りの景色を祐二の脳裏に映し出した。 ー灯台の明かりは一度に一箇所しか照らせないんだ。そうだったんだよね、親父。 祐二はそっとつぶやいた。 (完、ご愛読ありがとうございました) by hello_ken1 | 2006-03-19 16:32 | 海の明かり
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