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そのひとの娘がそこにいる「もう少ししたら日本を離れようと思う」 何の会話だったんだろう、何の話をそのひとの娘はしていたんだろう、ぼくは持ち上げたコーヒーカップに視線を移してそう言った。そのひとの娘が話すのをやめたのか、それともちょうど話の途切れだったのか、一瞬、空気の流れが止まった気がした。それはそのひとの娘にとってもきっと同じように感じたに違いない。 視線をコーヒーカップからそのひとの娘に戻すと、じっと動かずにこっちを見ているそのひとの娘がいた。こんなにもきれいな目鼻立ちだったのか、こんなにも涼しげなアイラインだったのか、今日はじめてそのひとの娘がこんなにもきれいだったのを知った気がした。 「ずっと前からそう思ってたんでしょう」 ぼくはゆっくりと噛みしめるようにうなずいた。 「ずっと心に決めてたんでしょ。言ってくれなければわからないこともあるのよ」 ーそうだよね。 「だからなのかなぁ。ほんとに恋い焦がれるほど好きかどうか、わかんなくなってたの」 そのひとの娘はカフェのウインドー越しに見えるさくらに目をやった。さくらははらはらとその美しい花びらを風に舞わせていた。
by hello_ken1
| 2006-04-08 11:11
| そのひと
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