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彼女のゆびさき「おひさしぶり」 そう言って駅のホームで声をかけてきたかつての同僚は、元気そうだった。 −あっ、飲みに行く約束をしてないや。 彼女のすべての指先に透明なマニュキアが光る。その上に、小さな三色の花が咲いていた。明るいブルー、明るいエンジ色、そして明るいグレー。それぞれ五枚の明るい花びらで構成されている。 ゆびさきの花にも負けない彼女の明るい笑顔は相変わらず、ぼくを和ませる。 でも、彼女の左手の薬指にあるはずの指輪は見当たらない。心なしか、手首が細くなっている気もする。ぼくの気のせいなのか、もとからそうだったのか、思い出せない。 間もなく、互いのトラックに逆方向の電車が到着した。 −じゃ、またな。 −連絡ちょうだいね、約束してたよね。 そう言って、彼女はグラスを持ち上げる仕草をし、反対側の電車に乗り込んだ。 ぼくは、車窓ごしに手を振るそんな彼女の名前を思い出せずにいた。 −まいったなぁ。 そして、ぼくの電車も動き始めた。
by hello_ken1
| 2005-06-20 09:49
| EndlessGoodTime
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