今は「Midnight Zoo」と「きみのもしもし」を掲載中
by hello_ken1
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29


<   2008年 02月 ( 8 )   > この月の画像一覧

きみのもしもし #47

 きみが買い物をしている間、待ち合わせエリアのソファーでひとり、きみを待つ。
 ぼくは先日からの風邪がまだ少しだけくすぶっている、でも体調は上向き。

ー熱はさがった?咳は止まった?
ーうん、なんとなくね。
ーじゃっ、気分転換が必要だね。寝てるばっかりじゃいつまでも病人から抜け出せないからね。

 妙な理由でショッピングに借り出されるものだ。

ーあっちのお店でね。
ーとなりのお店でね。
 きみはぼくをこのソファに座らせて、いろんな情報を写真付でメールしてくる。
 お店によっては座っているソファーからもきみの笑顔が見える気がする。

ーね、こっち向いて手を振ってみてよ。
 当たりをつけてきみのメールする。

ーもっしもっし、わかるぅ?
 たしかにすごい気分転換になっている。

 ありがとうね。
 ぼくもきみに手を振り返してみた。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-24 23:32 | きみのもしもし

きみのもしもし #46

 風邪を引いて寝込んでいたら、玄関のチャイムが鳴った。
 今、そのチャイムで受け取った本を読んでいる。

ー届いたかな。
 届いたよ。
ーパソコンなんてやっちゃだめだよ。
 本はいいのかな。
ー寝過ぎると寝れなくなるし、寝れなくても布団の中に入っているべきだし、だから本を読むのよ。
 確かにきみとのメールのやりとりも布団の中から。
 そしてきみから届いた本は今、枕元にある。
ー読みやすいように、短篇。
 なるほど。
ー本を持つ手が疲れないように、なるべく薄い本。
 正しいね。
ーありがと。
ーもしもし、、、、
 なにかな。
ーお大事にね。

 細切れなきみからのメール。
 ぼくはきみから言われた通りに、布団の中で本を読んでいる。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-23 23:43 | きみのもしもし

きみのもしもし #45

 きみはストーブの横で本を読んでいる。フローリングの床の上にクッションをしいて。
 ぼくはその隣に椅子を置き、おんなじように本を読んでいる。
ー久しぶりに一緒なのに、不思議だね。
 視線を活字からきみへと移し、そう思う。
 視線に気づいたきみが活字から顔を上げる。
「もう少ししたら珈琲入れるね。今おもしろいところなの」
 そして、また活字の世界に戻って行く。
ーうぅん、ぼくがいれてあげるよ。
 そっと椅子から立ち上がり、豆の準備にとりかかる。
 午前3時、きみはいつものもしもしを封印し、活字に没頭している。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-17 11:45 | きみのもしもし

きみのもしもし #44

ー早く来ないと寒くなっちゃうよ。
 きみの言葉を思いだし、空を見上げる。
 午前中の抜けるような青空は、午後になって少しずつ曇天に変わりつつある。
ー早く早く。
 信号待ち、風も少し頬に冷たい。
 いつものカフェで先に珈琲を飲んでいるらしいきみに「そんなに早くは着かないよ」と返信のメールを送る。
ーもっしもっし、いいこと教えてあげる。
 青信号とともにぼくの口元がゆるむ。
ー歌いながら歩くとね、目的地に早く着くんだって。
 ぼくを待ちながら読んでいた本にちょうどそんな一節がでてきたらしい。
 ぼくは昨夜きみから送られてきた曲を口ずさむことにした。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-17 01:46 | きみのもしもし

きみのもしもし #43

「どこまで行くの?」
 冬の陽射しを受けたきみがまぶしそうな表情で聞いてくる。
「とくに決めてないよ」
 きみは入りの悪くなった東京のラジオ局からここいらのラジオ局にチューニングを変える。

「ねぇ、海がまぶしくってきれい」
 さっきかけたサングラスを頭の上にもっていき、きみがぼくの左腕をゆする。
「しばらくずっときれいだよ」
 ぼくはそんなきみに笑ってこたえる。

「大好きな道ってある?」
 とつぜんのぼくの問いかけにきみはきょとんとしている。
 そして、気づく。
「わたしもこの道、大好きよ」

 このところのきみのもしもしのお礼に、今日はドライブ。
 目的地もなく、ただぼくの大好きな道をきみにも見てもらいたくて。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-11 12:01 | きみのもしもし

きみのもしもし #42

「会えないときにかぎってね」と、きみがいきなり話を変える。
「とっても会いたくなるものなの。あなたはどう?」
「会いたくなったときに、会えないと、無性に会いたくなるよ」
「そうじゃない。わたしは会えないときに会いたくなるの」
「そうなんだ」と、ぼくは曖昧な相づちを打つ。
「だからね、せめて声だけでもとダイヤルするの」

 会えないときに会いたくなってせめて声をときみのもしもし。
 そのきみのもしもしを聞いて会いたくなって今は会えない事に気づいてますます会いたくなって。
 やっぱりきみのもしもしでつながっている。だからぼくたちは続いているんだね。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-09 11:45 | きみのもしもし

きみのもしもし #41

表参道で会う約束をしていた。
今日は未明からの雪、ベランダにもバス通りにも街中に雪が降っている。
歩道を歩くひとは傘をさしている。

ーもしもし、おはよう、準備はできてる?
ーすごいよ、雪だよ。屋根とかも真っ白。
ーうん。だから早く行こ。早い時間はぜったい綺麗だよ。都会の雪化粧、この前行ったカフェで珈琲飲も。

表参道で会う約束をしている。
マフラーに手袋、そして通りを見つめるきみの瞳を収めるカメラを持って、
雪を楽しむきみの笑顔に会いたくて、
ぼくは厚手のコートに身を包む。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-03 11:16 | きみのもしもし

きみのもしもし #40

土曜日の昼下がり、ランチを終えたぼくはカフェでひとやすみ。
テーブルから見えるガラス越しの通りに優しい光が射している。
お客さんはぼくをいれて3人、みんな静かに時をすごしているよう。

おねえさんに珈琲をひとつ注文する。
少しお時間いいですか、とそのひとはすまなそうな笑顔で聞いてくる。
そして、カウンターの向こうから珈琲豆を挽く音が聞こえ始める。

ーねぇ濃いめがいい、それとも薄めがいい?
ーもしもーし、聞こえてるぅ?
ーもっしもっし!!
あのとき雑誌に夢中になっていたぼくに、豆を挽こうとしていたきみはほっぺを膨らませていたね。
珈琲豆を挽く音がぼくにそんなことを思いださせる。

今から呼び出しても出てこれるかな。
ぼくはきみにメールをしようと、珈琲を一緒に飲みたいと思った。
[PR]
by hello_ken1 | 2008-02-03 01:07 | きみのもしもし