今は「Midnight Zoo」と「きみのもしもし」を掲載中
by hello_ken1
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彼女のゆびさき



coming, originally uploaded by swallowtail.

「おひさしぶり」
そう言って駅のホームで声をかけてきたかつての同僚は、元気そうだった。
−あっ、飲みに行く約束をしてないや。
彼女のすべての指先に透明なマニュキアが光る。その上に、小さな三色の花が咲いていた。明るいブルー、明るいエンジ色、そして明るいグレー。それぞれ五枚の明るい花びらで構成されている。
ゆびさきの花にも負けない彼女の明るい笑顔は相変わらず、ぼくを和ませる。
でも、彼女の左手の薬指にあるはずの指輪は見当たらない。心なしか、手首が細くなっている気もする。ぼくの気のせいなのか、もとからそうだったのか、思い出せない。
間もなく、互いのトラックに逆方向の電車が到着した。
−じゃ、またな。
−連絡ちょうだいね、約束してたよね。
そう言って、彼女はグラスを持ち上げる仕草をし、反対側の電車に乗り込んだ。
ぼくは、車窓ごしに手を振るそんな彼女の名前を思い出せずにいた。
−まいったなぁ。
そして、ぼくの電車も動き始めた。
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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:49 | EndlessGoodTime

bar N43 on My BD



bar N43 - 3, originally uploaded by hello.ken1.

N43で飲んでいると、きみの声をtalbyが受けとめた。
静かな夜景と気だるいJAZZ、灯だけで着信を知らせるtalby。きみの声が夜空をこえる。
「おめでとう」
talbyを片手に店のドアを開け、外にでる。
受話器に触れるぼくの息は白い。GWだというのに足下に白い雪が残る。
「ありがとう」
「毎年、今日は別々ね」
「そんなカップルも、」
「好きよ」
きみの笑顔を思い出し、talbyをポケットにしまう。
ー来年の今日こそはきみのそばできみのくちびるを読もう。
目の前にはこばれたマティーニのグラス越しに、また今年も同じことを考えた。
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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:48 | EndlessGoodTime

つり革につかまる

吊革をつかんでいる彼女の指先はとても白かった。
きれいなつめのカタチをしている。CMでゆびのモデルをしているのかも知れない。その彼女の爪先まで白かった。
何をそんなに強く握っているのか。何が彼女にそうさせるのか。ぼくにはわからない。
ただ分かっているのは彼女がきっと必要以上に強く吊革につかまっているということ。
窓ガラスに彼女の顔が映る。指先ほどではないが、どちらかといえば美人の部類、ツンとすました感じではなくて、きっと笑顔が優しそうな美人。
そんな顔立ちよりも、ぼくにはゆびの先っぽだけ白くなるまで力を入れているその右手が気にかかる。
どうしてですか。
これが自然なの。
そうかもしれない。そうだよね、きっとそうだ。
ぼくは一人納得し、電車を降りた。
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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:47 | EndlessGoodTime

桜はね



thanks, Sakura., originally uploaded by jam343.

冷たい春の小雨。路面には地上におりた無数の桜の花びらがその小道を覆い尽くしている。
咳き込んでいるきみにせき止めを買いに行くまでの散歩道。
暖かくなってきみと散歩に出れるころには、桜の木々はみな葉桜になっているんだろうね。
そんな思いに背中を押され、ポケットから取り出したデジタルカメラで写真を一枚。ピピー。
きみはよろこんでくれるかな。
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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:46 | EndlessGoodTime

14年前のらくがき

どうしたの
どうもしないよ
静かだよ、何か話して
そうだなぁ
わたしを見ていないっ
見てるよ
見てないわ
カラン
マスター、もう1杯だけ
飲みすぎじゃない
いいんだよくないわ、もう十分飲んだでしょ
もうちょっとだけ
どうしてそうなのかな
昔から
知らないわ
きみの知らない昔から
そんな言い方、さみしいよ
さみしい、か
さみしいのはわたし
うん、、、
うんじゃないでしょ
カラン
まだ飲むの、、、
次で終わりにするよ
、、、知ってるわよ
何を
飲むといろんなこと思い出すんでしょ
ふふ
教えてよ
クイっ
おいしいね
あたりまえでしょ。隣にいるのはわたしなんだから
やっぱりちょっと怒った顔もいいなぁ
えっ
前に見たきみのそんな顔を思い出してた
ふ〜ん、
そう
、、、マスター、わたしにもおかわりください


グラス, originally uploaded by hello.ken1.

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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:43 | EndlessGoodTime

最近、彼女とドライブに出ていない



 きれーい, originally uploaded by aoiumi.

一緒に車で近所にショッピングには毎週のように行っている。
でも、もう少し遠出、はしていない。ショッピングはドライブとは言えないだろう。
「どうしてだろうね」
「そう言えばそうね」
春に向かう季節の中で、今日の陽射しはシャツのそでをまくらせる。
ハンドルを持つぼくはドアポケットからサングラスを取り出した。
カーラジオはJWAVEからケツメイシの桜を聞かせてくれる。
信号待ちから開放されたぼくの車はその先で歩道へと乗り上げる。
「出かける用意しときなよ」
「じゃぁ、珈琲をポットに移し替えとくね」
携帯電話を助手席に置くと、太陽に包まれた早咲きの桜が見えた。
さてと、彼女をどこへ連れていこうか。
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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:41 | EndlessGoodTime

今朝の夢



, originally uploaded by Shoosh.

写真を撮っている夢を見た。
「カメラを構えると少年がファインダーの枠の外に見えるんだけど」
「今も見える?」
「いや」
「まだなんだ」
しばらく何枚も撮っていた。
「あれ?」
「どうしたの」
少年がファインダーの枠内にいる。ファインダーを通して見える少年が、そうでないと見えない。いろんな構図でとっても中央に少年が見える。でも、なんの違和感もない。
「どんな少年?」
「んー」
「あんな少年?」
彼女が指差すその先で少年はしずかに立っていた。そして次に撮ろうと思っていた風景の真ん中に歩いていった。
「うん、あのこだ」
「ちゃんと見えるようになったんだ。よかったね」
そこで目が覚めた。
なんの後味もない、なんとなくの夢だった。
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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:39 | EndlessGoodTime

チキンタンメンと髪留め

朝の満員電車。背中を向けて前に立っている女の子。カバンの口が半分開いている。
あえて覗く気もないのだが、そのカバンの中に見えるチキンタンメンのインスタントカップが何となく目に付く。
電車が橋にかかるところで左右に揺れる。
その子のカバンの残り半分を留めていたであろう髪留めのクリップが、僕の足元に落ちる。
彼女は何がどうなったのかわからないまま、開いたカバンの口をどうにかしようとしている。
クリップはプラスチック。満員電車の中、そのうち誰かに踏まれて割れるだろう。
僕は手を伸ばしてクリップを拾う。
拾い上げたクリップを持った手で、その子の肩をとんとん。
これ、ちがいますか。
あっすみません。
受け取る彼女。そっけない。
でも一日一膳。きっと今日はよい日になる。
橋を渡り終えると、そこは駅。電車は止まる。
電車のドアが開いて。
どうもありがとうございました。その子の笑顔
どうも。ぼくの笑顔
やっぱりいい日だ。
そうして今日ははじまった。


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# by hello_ken1 | 2005-06-20 09:33 | EndlessGoodTime

もうひとつのblog

今更ですが、
小説プラスアルファはこっちですね。はい。
http://blog.windofk.com
よろしければどうぞ。:D

しっかし、URLが埋め込めないfreeのexblog、ちょっとね。:P
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# by hello_ken1 | 2005-04-26 17:44 | info