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明け方、そのひとの娘が待つ場所へ向かうもうあるわけもない飛行機雲が見たくなり、タクシーを降りた。 そこから見上げる夜空は雲ひとつなく、ぼくの頭上に広がっていた。地上のすべての思いを優しく包み込んでくれそうな、まぁるい感じの夜空だった。 昼間の飛行機雲はきれいに交差したあと、風に流されたのか、それとも真っ直ぐに交差したラインのままでゆっくりと空にとけ込んだのか、その夜空からは読みとれなかった。 ー想いを少し整理したほうがいいんじゃないかな。 三等星だろう、星がささやいている。 ーまだ無理だね。 その星の言葉に月が反応する。でも右上の一等星はまだ静観しているよう。 立ち止まってしばらく星たちの会話に耳を傾けていると、夜風がそっと頬をなでて通りすぎた。 ーいいんだよ、このままで。 ちょっとひんやりだけど、そっと優しいなでかた。 ーわからないことに結論をだすことはできないよ。 風は少しだけ達観しているのか。 どこまで行けば、ぼくはそのひとの涙を理解できるのだろう。どこに行き着けば、そのひとの娘をどれだけ優しく抱きしめてあげられるのだろう。 そのひとが自宅のソファで眠りに着いた後、そのひとの娘の待つ場所へ向ったぼく。交差した飛行機雲をもう一度見たくて、タクシーを降りた線路沿いの道。動き始めた始発電車の音が星たちのささやきをのみこんだ。 ーもうすぐ着くからね。 ぼくは視線を前に戻し、そのひとの娘が待つライブハウスへと足を踏み出した。
by hello_ken1
| 2006-02-04 03:27
| そのひと
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