きみの人嫌いが再発しかけているようだ。
ぼくから見ると他愛もないことで、ブツブツ小言が始まった。
ぼくから見るとそうであっても、きみにとっては人生を揺るがす大事なことなんだものね。
「もしもし、ちゃんと聞いてるの」
ー聞いていますよ。
ぼくは頷きながら、珈琲を口にする。
「あそこはわたしの居場所じゃない気がするの」
ぼくはカメラのファインダーできみを捉える。
「まじめに聞いてよ。もしもしっ、そこのおにいさんっ」
そして、シャッターを切ってきみに答える。
「大丈夫だよ。明日は絶対いい日だから」
あきれたきみの顔、写真ができ上がるのが楽しみだ。