ー初夢は、、、
それはきみのもしもしで始まった。
「教えて」
めずらしく電話をかけてきたきみ。部屋の空気はぼくの鼻の頭を赤くする。
「どんな夢みたの」
ー初夢はね。
そこでぼくは言葉を止めた。
「もしもし、いい夢だったの」
「うん、そこそこ」
「そこそこってなぁに」
ーそこそこって最高ってことだよ。
「まぁね」
「ふーん。ねぇ、もしもし」
初夢の後、きみのもしもしが2回も聞けた。
「きっといい年になるよ」
「やっぱりいい夢だったんだ」
「そうだね」
初夢よりももっとリアルに、
きみの声がこうして聞ける。
「電話ありがと」
きみはふふふと笑っている。